公益財団法人 自然農法国際研究開発センター 公益財団法人 自然農法国際研究開発センター

野菜の自立を促すポイント

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まずタネ播きの時期が重要です。運動能力が低い幼苗期に体を動かすためには、温度条件や水分条件が充分に確保されていなければならないからです。春播きで早まきしすぎると気温や地温が低いため、食料を摂取できず、いじけた生育になります。また初期から窒素肥料を与えすぎると、体内で窒素成分がだぶつき、地上部だけが生長して根が張らない肥満体になります。このような生育になると常に肥料を要求する弱々しい体質になります。

野菜を自立させるためには、幼苗期から伸長期(幼年期から少年期)に、よく食べ(光合成)、よく遊ぶ(呼吸作用)習慣をつけさせることが必要です。身体を良く動かすほどご飯が美味しくなるという学習をさせ、ご飯をたくさん食べてたくさん身体を動かすという習慣をつけさせます。ビニール等による過度の保温や、多肥・多灌水で育てることは、運動不足やおやつの食べ過ぎと同じで、野菜を軟弱に育ててしまいます。

整枝は通常草勢を調整して実が着くようするために行いますが、新芽や葉の数が減れば根の活動は弱まります。整枝を前提にした密植栽培は、野菜が根を伸ばそうとしているのを抑え、自力で養水分を集める能力を制限してしまいます。密植栽培は多肥+整枝によって成り立つ栽培方法です。例えばウリ類では、施肥量を減らし、ゆとりのある栽植密度にして、無整枝栽培とした方が、自然に葉と実と根のバランスのとれた生育となります。

本来整枝とは無整枝にした場合の草姿を基本とし、作物に合わせて生育を調整するための補完・修正の技術であるべきです。無整枝放任の草姿を基本にし、最も安定した生産力を維持できる整枝方法「自然形仕立て(自然形整枝)」を目指すことで、品種特性は最大限に発揮されます。

自然農法の種子