公益財団法人 自然農法国際研究開発センター 公益財団法人 自然農法国際研究開発センター

野菜が自立できる環境

自立のための素養が芽生えても、巣立つ環境が整っていなければ自立することはできません。野菜にとって最適環境とはどのようなものでしょうか。

生態学者の宮脇昭氏は、著書『植物と人間』の中で、野草達が育っている環境は、自分の生理的最適地より、むしろ一歩下がった何とか生育できる生態的最適地域で、お互いに競争し我慢させられながら、生活の場を住み分けて共存していると述べています。これは、植物の強さはやや不良な所で頑張っているときにこそ発揮されるという見方ですが、自然農法種子の育成過程にも、同様の現象が観察されました。

育種素材になっているのは、市販品種や在来種ですが、肥料を施さず不耕起草生という野菜にとっては過酷とも思える環境で選抜を繰り返すことによって、元の品種よりはるかに強いタネが育ちました。

畑の中に様々な生き物たちの生活の場があり、野菜もその一員になることのできる環境、これが野菜にとって自立できる環境と言えるのではないでしょうか。
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自然農法の種子