ナス栽培のポイント

栽培のポイント

ナスは深根性で土壌や肥料条件への反応が鈍感なため、過湿・過乾燥など極端な悪条件でなければ栽培の失敗は少ないですが、温度(特に地温)により生育は大きな影響を受けます。ナスは高温性作物で、適温は22~30℃、17℃以下では生育が鈍ります。したがって十分に地温が確保できる時期をナスの旬と考えて栽培することが重要です。黒小町、紫御前、在来青ナス、自農丸ナス、信越水ナスは露地夏秋栽培に適応した品種で、ハウス栽培には不向きです(光量不足により着果が悪くなる)。在来青ナスは着果数が少ないので自家用向きです。

畑の準備

堆肥やEM生ゴミ堆肥は、なるべく前年秋から冬の間に植付け畝下に溝施用(深さ30cm)しておきます。溝1m当たり、完熟堆肥3kg+EMボカシI型200~300gが目安です。ボカシや前作残差・緑肥などの全層鋤込みを行う場合は、秋に行います。春の鋤込みを行う場合は、完熟堆肥のみとし、未・中熟の堆肥やボカシは土壌表面に敷くように使いましょう。地温の上がりにくい地域や地下水位の高い畑では高畝にします。

苗つくり・育成期

節間の詰まった葉の厚い苗を育てます。播種は平均気温17℃以上が確保できる時期に定植日を設定し、そこから育苗日数(自根栽培、12cmポット育苗で70日程度)を逆算して播種日を決めます。育苗日数が長いので肥切れや老化苗にしないように注意します。発芽までは昼間26~28℃、夜間22~20℃で管理し、発芽後は昼間25~28℃、夜間16~18℃で育苗しましょう。鉢上げは本葉2~3枚、12cmポットが良いでしょう。鉢上げ後、葉が触れ合うようになったら、苗ずらしを行います。本葉7枚程度で定植適期です。定植10日前から外気温に馴化させます。

定植後・育成期~自立期へ

定植はウネ間120cm程度、株間65~70cmの1条植を目安とし、栽培期間の短い寒冷地では、やや密植にし、温暖地では粗植にします。定植後は株周りは裸地か堆肥で薄くマルチする程度として、地温を確保をし、株周りはこまめに除草します。定植後1ヶ月で梅雨入りした後に敷草をたっぷりと施します。仕立ては、寒冷地の短期間栽培では放任で良いが、温暖地では本来の主枝と一番花下の側枝2~3本を使った3~4本仕立てとし、こまめに弱整枝をした方が成り休みが少なくなります。一番果は100g弱で収穫し、二番果以降に徐々に品種本来の大きさで収穫するようにします。

収穫開始後・自立期

伸ばす枝(主枝)を決めたら、各節から出る腋芽のうち、細く弱い腋芽は早めに切除し、太く強い腋芽は伸ばし、その一番花または二番花上の葉一枚で摘心し、果実の収穫時に基部の葉2枚まで切り戻します。この弱い整枝を繰り返して栽培すると、果実の成り過ぎや葉の混み過ぎが少なく、成り疲れが少なくなります。ナスは乾燥に耐えますが、収穫を続けるにはかなりの水分を必要とする作物でもあります。特に盛夏期は、適宜かん水を行って土壌水分を保ち、草勢の維持に努めましょう。乾燥は葉ダニやアザミウマの被害を招く原因となるので注意します。追肥は2週間に1回、ボカシ肥料(EMボカシII型の場合30~50g/m2)を敷き草の上から施し、かん水や敷き草を追加して効かせるようにします。小布施丸ナスは150g程度でやや若どりすると着果数が多くなり、200g以上の大果どりだと、果数は少なくなります。在来青ナスはもともと着果が少なく、若どりしても着果数は増えないので、200~250gの大果どりにした方が得です。

整枝方法

4-4_shitate_eggplant

自家採種しよう

詳しくは『これならできる!自家採種コツのコツ 失敗しないポイントと手順』(農文協)を参照ください。
ナスは自殖性作物で、自家採種に適しています。在来青ナスも自農丸ナスも固定種で、自家採種によって種子を維持、増殖することが容易です。ナスは通常の青果栽培では、果実を完熟させないで収穫していますが、タネとりをする場合は、果実を完熟させる必要があります。 まず成り疲れになる前の最も草勢の充実した時期に、草勢、枝ぶり、果形、大きさ、果色など品種の特徴を良く現している株を選び、収穫を止めて採種果を着けます。ナスは1果採種量が多いので、小規模採種では、採種株は1~2株あれば充分です。また採種果も1~3果着けば良いでしょう。採種果を着けた株は、枝の伸張が鈍り、落花も多くなり、通常の収穫はできなくなります。採種果の数が少なく、採種果の負担より草勢が勝る場合は、少ないながらも収穫を続けられることもあります。採種果は品種固有の大きさまで肥大すると、しだいにナス特有の黒紫色や果実の光沢がなくなり、55~60日程度で黄褐色の成熟果となります。採種果内部の種子が発芽力を持つようになるためには、最低40日は木から栄養補給を受ける必要があり、採種果はできるだけ長く木につけておきたいです。採種果収穫の目安は、着果後55~60日です。種子の充実もナス自体の活性と関係があるので、秋に気温が下がり、ナスの生育が鈍れば、長く着けておいても果実の成熟は進まず、種子の充実も悪くなります。したがってタネとり用の果実は、平均気温17℃を割り込む日から夏に向かって60日さかのぼった時期に着果させます。寒冷地で8月初旬、温暖地では8月中旬です。

タネとりのしかた

収穫した採種果は、腐りや傷みが入っていなければ10~14日間室内で追熟させます。種子の取り出し方は、まずナスの皮をむき、果肉を裂くか角切りにします。次に果肉を揉み込んでいくと、果肉から種子押し出されてきます。果実が硬い場合は少量の塩を入れて揉むと良いでしょう。充分に揉み出したら果肉ごと水洗いをすると、種子は水に沈み、果肉は浮き上がり、種子だけを分離することができます。水洗いした種子は、3日間天日乾燥します。 品種にもよりますが、1果実で500粒程度の種子が入っているので、自家用ならば、採種果1~2果あれば充分です。ナス種子は長命種子で、低温乾燥状態で保存すれば4~5年は発芽力を維持できます。なおナス種子には休眠性があり、採りたての種子の発芽は非常に悪いです。この休眠は翌春までには解消します。

ナス栽培のポイントはこちら

自然農法の種子