夢枕の育種圃場は準高冷地の火山灰土壌(黒ボク土)で、草生栽培を取り入れ無マルチ・無整枝栽培条件下において、旺盛に生育し坦果力のある系統を選抜しました。そのため火山灰土壌のような軽い土で土層が深く、排水良好な土壌で特性を発揮しますが、粘土質の重い土や排水不良な畑、水田地帯では、草勢が旺盛になりすぎてツルぼけになり、着果不良や肉のしまりすぎ、糖度不足や裂果を起こします。
また低温期のハウス栽培も不適で、日照条件の良い露地栽培において、昼夜の温度格差のある地域で高品質の果実が収穫できます。栽培に当たってはこれらに留意し、排水を良好にし、元肥を抑え腐植を増やして、根群を発達させ充実した生育をさせて、無整枝で自然に着果させることが大事です。
堆肥や緑肥などの有機物は、腐植化をすすめるためなるべく前年の秋に全面に鋤込みます。春の鋤込みは完熟堆肥を用い、作付け1ヶ月前までに行います。未熟堆肥は鋤込まず表層に敷きます。畦幅2.5~3mとり、畦肩の両側に風よけや害虫飛来防止に緑肥用エン麦・アカクローバを播きます。株間は60~80cm、播種する位置に直径45cm、深さ30cm位の穴を掘りEM生ゴミ土や混土堆肥などを入れてくらつきをつくります。くらつきの盛土は地面より6~9cmにし、培養土があればこの上にさらに三握りくらい施して土と混ぜておきます。
少肥栽培では根の生育が優先するため、地上部が過繁茂になることはないので整枝の必要はありません。但し、ツルが重なって混み合わないように親ヅル・子ヅルを同じ方向にツル間隔が20cmくらいに揃えて伸ばします。
ツルが50~80cmくらいになった頃に、自由に各方向に向かっているツルを伸ばしたい方向に向け配置します。ツルが100~120cm位に伸び、着果させる雌花の芯が見えてきた頃、草勢が強すぎるようならツルの引き戻しを行い、ツルの生育を一時おさえ、着果をよくします。
肥沃な土では、親ヅルを本葉6枚で摘心し、子ヅル4~5本を主枝として伸ばします。草勢が強い場合は、着果周辺の孫ヅルを早めに摘除します。着果後は放任にします。
タネ採りの書籍情報はページ下部をご覧ください。
スイカは1果実から200粒程度の種子が得られるので、自家用なら交配果は1果あれば十分です。
タネの取り出しは、普通に食べながら行い、取り出したタネはすぐに水洗いし、3日程度天日で干し、十分に乾燥させます。
スイカは長寿種子で、温度変化の少ない条件で乾燥状態を維持すれば4~5年は保存できます。
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