公益財団法人 自然農法国際研究開発センター 公益財団法人 自然農法国際研究開発センター

自然農法実証圃場

知多草木農場を実証圃場の中心拠点として、全国の自然農法実施農家の協力を得て「自然農法実証圃場」を設置しています。自然農法実証圃場の調査を行い、データを集積し公開するとともに、地域に役立つ自然農法技術の実用化推進や普及活動を行っています。

実証圃場についてのお問い合わせや見学希望は、問い合わせフォームからご一報ください。

実証圃場農家 一覧

都道府県 分野 圃場所在地 圃場主 特徴 備考
宮城県 水稲 宮城県登米郡中田町 及川 正喜

2004年にカメラマンから自然農法で就農。現在、約13haが有機JAS認証圃場、約2haが無農薬無化学肥料栽培。その内約7haは棒掛け(天日自然乾燥)させて、インターネットを通じて販売する。天日乾燥の稲わらも畳原料として販売している。EMを活用して秋処理、複数回代かき,田植え後田面施用により抑草して6割以上は無除草。残りは自家製除草機等活用。
及川氏のホームページ(有機農園ファーミン)

有機JAS認証農家・自然農法普及員
栃木県 水稲 栃木県芳賀郡芳賀町 綱川 稔

1954年、先代の時から自然農法を実施.。当センター職員を経験後、1993年より経営を継承。自然農法実施面積は田畑合わせて344a(19筆)。田畑輪換では水稲作から麦、大豆を輪作し多品目野菜栽培を実施する田畑輪換と緑肥活用による育土を行っている。有機肥料等の施肥に頼らない栽培。

自然農法普及員
千葉県 水稲 千葉県匝瑳市 佐藤 真吾

当センターで研修後、2005年に自然農法に転換。ジャンボタニシや乗用除草機(WEEDMAN)を活用し、有機JAS水稲750aを経営。栽培品種は千葉県の新品種粒すけと酒米の山田錦。山田錦はアクチバプロジェクトで活用されている。

元研修修了生・有機JAS認証農家
福井県 水稲 福井県勝山市平泉町 南 都志男

1954年、先代の時から自然農法実施。自然農法水稲栽培実施面積126a(8筆)。有機JAS認証農家。EMを活用して秋処理、複数回代かき、田植え後田面施用により抑草。以前は揺動型歩行除草機を活用していたが、現在はほぼ無除草で栽培。

自然農法指導員・有機JAS認証農家
滋賀県 水稲 滋賀県東浅井郡虎姫町 吉田 道明

2000年に自然農法開始。全面積40ha(約190筆)の内、18ha(75筆)で自然農法水稲栽培を実施。EMを活用した秋処理と複数回代かき、田植え後田面施用、乗用型除草機を活用して抑草。
吉田氏のホームページ(吉田農園)https://www.yof21.com/

鳥取県 水稲 鳥取県鳥取市気高町 梅實 一夫

1998年に自然農法に転換。有機JAS認証農家。自然農法実施面積約15ha(水稲12.5ha、小豆2ha、畑0.5ha)。田植え時期を遅らせてイネミズゾウムシ対策するとともに3台の乗用除草機を活用して1回の除草時間は30分/10a程度。

有機JAS認証農家
香川県 水稲 香川県高松市由良町 眞田 國男

2001年に自然農法開始。自然農法栽培面積54a(5筆)。ジャンボタニシを活用し無施肥水稲栽培。

自然農法普及員
愛媛県 水稲 愛媛県西予市宇和町 中野 聡

当センターにて研修、職員を経験後、2007年に新規就農。中山間地で全耕地約9haの内、自然農法実施面積約1ha、減農薬栽培※約6ha、慣行栽培約2haの水稲栽培。秋処理、複数回代かき、田植え後田面施用、揺動型乗用除草機を活用して抑草。
中野氏の所属グループ「田力本願株式会社」のホームページ

※減農薬・ミカン循環栽培の「田力米」が「第23回米・食味分析鑑定コンクール 国際総合部門」金賞受賞

自然農法普及員・元研修修了生
愛媛県 水稲 愛媛県宇和島市 梶原 茂夫

当センターにて研修後、1990年に先代から引き継ぐ。無農薬無施肥水稲栽培1.2ha、ハウスイチゴ7aを栽培する。

自然農法普及員・元研修修了生
熊本県 水稲 熊本県球磨郡錦町 永峰 典隆

1978年より自然農法開始。自然農法実施面積128a(11筆)。主にジャンボタニシを活用した無農薬無施肥水稲栽培。他にニンジン、タマネギ、ハウスイチゴなどを栽培する。

自然農法指導員
兵庫県 野菜 兵庫県三田市 藤原 明

当センターにて研修後、2003年より自然農法実施。自然農法実施面積はハウスと露地を合わせて90a。粘土質土壌を自家製堆肥とEMボカシを活用して育土を行い、多品目栽培を実施。主な販売先は大手量販店に専用コーナーを持ち、農園内に自園野菜を使った農家レストランを経営している。
藤原氏のホームページ(藤原農園)

自然農法普及員・元研修修了生・有機JAS認証農家
広島県 野菜 広島県東広島市志和町 森 昭暢

当センターにて研修後、2011年に新規就農。自然農法実施面積273a。圃場枚数34枚で作付け帯と緑肥帯を交互に入れ替えて緑肥(イネ科とマメ科の混播)や雑草、地域資源を活用し、省耕起、省力、少量多品目栽培を実施。「平成27年度 多面的機能発揮促進事業 中国四国農政局長表彰」受賞。
令和3年度「未来につながる持続可能な農業推進コンクール」 有機農業・環境保全型農業部門「農産局長賞」受賞
森氏のホームページ(はなあふ)

元研修修了生
徳島県 野菜 徳島県勝浦郡勝浦町 岡田 智明

1975年、先代の時から自然農法開始。主に自家製堆肥を活用し、自然農法栽培面積は水稲約5ha、ハウス約1ha(レタス、ミズナ、コマツナ、ホウレンソウ、キュウリなど)、露地約1ha(エダマメ、キャベツ、ブロッコリーなど)。その他に慣行のクレソンなどを手掛ける。

有機JAS認証農家
愛媛県 野菜 愛媛県今治市 越智 資行

1998年に脱サラし、新規就農で自然農法を開始。野菜、水稲、柑橘の自然農法実施面積83a。野菜はボカシを活用し、省耕起(一部不耕起10年以上)、省力、少施肥、少量多品目栽培を実施。

自然農法実証圃場について

概要

これまでの自然農法センターの研究や普及情報を整理すると、自然農法実践圃場には、世の中に役立つ様々な有用な情報が眠っていることが明らかです。深い経験を持つ自然農法実施農家は、有機農業に関心を持つ農家や消費者から先進的・指導的な役割が期待され、それに応えることができると考えています。

自然農法は自然を尊重し、自然の力を最大限に発揮するべく実践者が各地で研鑽し、地域に根ざした技術や栽培法をもとに、多様な形態で営まれています。自然農法を理解するためには、まずは多様な自然農法を多様なまま理解することが必要です。

自然農法を志す初めての就農者や参入者にとって、近隣で自然農法を実践してきた人は最高の師匠となります。また、実証圃場はおいしく安全な食べ物を探している消費者や流通業者にとって、自然農法の価値が直に確かめられて理解できる場を提供できます。

そこで、実証圃場を通して、当センターは次のようなことを考えました。

  1. webサイトや出版物で実証圃場を紹介し、自然農法の理解を深める
  2. 自然農法を実践する農家や農産物、農地の美しさを紹介する
  3. 見学・講習会を開催し生産者同士や消費者との交流を深める
  4. 自然農法技術を整理し、自然農法の成果をアピールする

実証圃場は、一定の要件(下表)を満たし、自然農法を普及する意思のある農家にボランティアでお願いしています。

実証圃場についてのお問い合わせや見学希望は、問い合わせフォームからご一報ください。

設置要件
栽培
対象とする圃場では、過去4年以上にわたって、化学的に合成された肥料及び農薬ならびに遺伝子組換え技術を使用せず、かつ自然農法の技術的特徴をもった栽培が行われている。
収量・収益
対象とする圃場では、過去3年にわたり収量が地域慣行の概ね8割程度または当該地域における同等以上の収益性が見込まれる。
圃場面積

対象とする作物の作付け規模は、連続して以下の目安がある。

  • 水稲、麦、大豆等の畑作物類の場合:単一作物で30a以上
  • 露地野菜類、いも類など、上記作物以外:同上、10a以上
  • 施設野菜(果菜類、葉菜類等)の場合:同上、1.5a以上
  • 多品目型作付けの場合:複数同時作付け計10a以上
  • 同一経営の同一作物、同一管理の場合は、代表的な圃場を選定します。
  • 自然農法実証圃場として圃場内に看板を設置していただきます。

実証と実績に基づいた自然農法で
地域と社会に貢献します

有機農業や農に関連する地域づくりなどをサポートします
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