トマトの生育適温は15~25℃で、日本においては5~6月と9~10月がこの範囲に当たりますが、実際にこの期間だけトマトを栽培することは不可能です。そこで冷涼地では露地での栽培期間をなるべく長く確保するために、温暖地ではトマトが苦手とする夏の高温を避けるために育苗によって生育期間を調整します。
育苗は定植時期からの逆算で日数を考え、さらに育苗施設(育苗ハウス、庭先やベランダのプランターなどでも可)によって期間や苗の大きさを加減します。定植は平均気温16℃以上(最低気温12℃以上、地温16℃以上)が確保される時期で、温暖地で4月下旬~5月上旬、冷涼地では5月下旬~6月上旬である。育苗日数は育苗ポットの大きさで限度が決まるので、それに合わせて播種日を決める。なるべく育苗にかかる日数を確保し良質な苗を育てるには、播種箱に播種し、本葉1.5~2枚で10~14日でポットに移植する2段階育苗をお勧めします。
下表のようにポットは大きいほど土量が多く、長期間育苗することができます。途中肥切れや根腐れなどを起こさなければ、一般に大きいポットほど良質で体力のある苗が得られます。
育苗ポットの大きさ | 日数の目安 | 葉数の目安 | 冷涼地例 (定植5/25) |
温暖地例 (定植5/3) |
---|---|---|---|---|
2.5寸(7.5cm) | 14-17日 | 本葉3-4枚まで | 播種4/30 ポット移植5/11 |
播種4/8 ポット移植4/19 |
3寸(9cm) | 20-24日 | 本葉4-5枚まで | 播種4/24 ポット移植5/4 |
播種4/2 ポット移植4/13 |
3.5寸(10.5cm) | 26-28日 | 本葉5-6枚まで | 播種4/18 ポット移植4/29 |
播種3/27 ポット移植4/7 |
4寸(12cm) | 35-40日 | 本葉6-8枚まで 第一花房が見える |
播種4/8 ポット移植4/20 |
播種3/17 ポット移植3/28 |
露地栽培は疫病が問題になりやすいです。トマトの疫病は、ジャガイモやカボチャの疫病と相互に感染するので、疫病の出やすい畑では、前作や近隣に作らないようにします。緑肥草生や敷き草は土壌の粒子の跳ね上がりを防止し、水はけを良くして疫病の出にくい環境を作る効果があります。さらに敷き草の上から、定期的に木酢液200倍、食酢200倍やEM活性液100倍を散布していると、疫病菌に対する土着天敵菌の密度を上げることができます。1週間に1回、木酢液500倍やEM活性液500倍を葉面散布していると予防になります。葉面散布にはEM2や菜園EMパウダー2000倍を混用すると良いでしょう。
妙紅、紅旬、南桜2号、メニーナ、サンティオ、ブラジルクック、チャコ
品種育成の研究成果や実績など
お気軽にお問い合わせください