育成方法について

育種圃場は無施肥、表層耕起、草生という自然に近い環境のなかで選抜・採種し、純系化によるタネの弱勢を防ぐため、品種として許容できる範囲の遺伝的変異性を保ちながら表現型を揃えていく育種に取り組んでいます。

 

1.育種素材の探索

国内外の在来種や固定種、交配種、自生種などから自然農法下で確実に生育し、子孫を残す力のあるものを見つけ出します。必要に応じてこれらの素材を掛け合わせ、変異性に富んだ素材を作成したりします。

 

2.自然農法・草生栽培で選抜

自然農法の栽培環境は施肥に依存しない栽培のため、地力を効率よく活用できる品種が重要だと考えています。育成環境は有機質肥料や堆肥といった外部からの有機物の投入を極力控えるため、ムギ・マメ類と野菜を輪作しながら両者を交互に作付けし、畝間に多年生牧草を生やし、その牧草を定期的に刈り取り野菜の株元に敷く緑肥草生栽培を行っています。
そのなかで生育量が確保され、品質・食味が良く、種子を得ることができる個体を選抜します。また、低温育苗や自生選抜などにより、積極的に変異を引き出す工夫もしています。

育種圃場の環境

育種圃場の環境

 

3.系統育成

作物の受精機構に合わせた交配方法を行い、数年かけて自然農法に適した遺伝的性質を集積・固定させていきます。耐病性等のチェックも行います。

 

4.品種比較試験/能力検定

作物に付与したい性質や条件に合わせて、固定種化や交配種の組合せを検討します。さらに既存品種と比較栽培し、耐病性や収量性・品質等を調べ、優良系統や組合せを選びます。

 

5.採種試験

自然農法による種子採種の実用性を調べます。

 

6.試作/栽培方法の検討

試験採種した種子を用いて提携農家や自然農法センター研究部研究課の協力も得て、数年間の試作を行い、品種の特徴をつかみ、より安定した栽培方法を検討します。

 

7.品種発表

試験採種した種子を用いて提携農家や当センターにおいて数年間の試作を行い、品種の特徴をつかみ、より安定した栽培方法を検討します。

秋の育種圃場

秋の育種圃場

自然農法の種子